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登山についてその2 [日記]

どうも。
今回も山の話になる。興味があれば聞いてくれ。
岳沢小屋は上高地から見上げる穂高連峰の中腹に位置する。

上高地から岳沢小屋までは氷河地形のカール底を緩やかに
登るハイキングコースだが、小屋から上部は穂高連峰の急峻な
岩壁をよじ登る登山道に一変する。

ダイナミックな展望で、穂高に登っている高揚感を味わえる
ルートだが、ハードなコースだけに他の山脈と比べると
遭難事故が多く発生している。

小屋での勤務の他、東京や名古屋で開催される登山相談所で
相談員を勤めることがある。

登山を始めたばかりなのに、いきなり槍や穂高、
なかでも大キレット越えや槍穂縦走、西穂~奥穂の縦走について
質問してくる人がいるが、物事には順序がある。

北アルプスに来る前に、まず200キロメートル級の低山で
トレーニングを積み、初めて北アルプスはつばくろや唐松岳など、
比較的歩きやすい山から入門する。

その上で槍・穂高などの一段グレードの高い山へ挑戦する。
そういったステップを踏んでもらわないと俺はそう思うんだ。

実際、夏山の現場では、経験者につれられて初めて登山で
穂高の縦走に挑み、高所での長時間行動に加えて慣れない
岩場歩きでバテバテ、ほうほうの体で暗くなってからなんとか小屋に
たどり着く、

まさに遭難一歩手前というケースをよく目にするんだ。
残雪期には、夏山と勘違いした登山者が小屋にやって来ることも。
その時期の穂高はまだアイゼンとピッケルが必要。

真冬と比べると雪渓の雪が固くしまっているぶん、より確実な
雪上技術が求められる。

夏山気分でなんの装備も持たずに穂高へ来るのは論外。
また、冬の八ヶ岳で雪山デビューしたばかりの登山者が背伸びして
穂高に挑み雪渓などで滑落事故を起こすこともあるので、
よく小屋前で登山を観察している。

装備不備、技術不足に見える登山者には注意をしているが、
だいたいが「行けるところまでいって、ダメなら下りてきます」
って言うのだ。

山は登りより下りが危険なもの。

登れるところまで登って進退窮まって下山する状況は「時すでに遅し」なのだ。
実際滑落し、血まみれで下山してくる人も少なくない。

晩秋~初冬、稜線に雪がつもり始める時期も、気になる登山者が多い。
特に目立つのは「アイゼンを買って持っていければ登れますか?」
という電話での問い合わせだ。

「アイゼンは使ったことないけれど、とりあえず持っていけばなんとかなるだろう」
というほど、初冬の穂高はあまりよくない。

話は変わり、小屋を利用する方で「これは困る」と思うのは、
酒を飲んで特に深夜になっても騒ぐ登山者だ。

それと、早朝からガサガサとパッキングしたり、大声で話す人。
早朝から行動するのは悪いことじゃない。そっと寝床を抜けし、
迷惑にならない場所でパッキングなど気を使ってくれれば問題ないのだ。

しかし、常識はずれな時間から無神経にガサガサとパッキングし遠慮もなく
普通の声量で会話を交わし、笑い声をあげるのは勘弁してもらいたいと俺は思うのだ。

逆にいいなと思うのは、早い時間に到着してのんびりとくつろいでいる人や、
込み合った小屋で譲り合いの精神をもち、山小屋の時間サイクルを理解して、
スムーズに時間差で行動できる人。

山小屋を使いなれ、他社に気を配りつつ、山小屋で過ごすひとときを
満喫いている人は、見ていて「スマートだな」と思う。
という、俺が登山に関して思うことなのだ。

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